第3章 生贄の意味

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有梨空と遠儀が目を覚ました頃、東凪も目を覚ました。 「ん…ここは?」 目を開けると暗い雰囲気だが、何となくどこかの教室だろうなというのが分かった。 次の瞬間東凪が手を動かそうとすると手は全く微動だにしなかった。 東凪が手を見ると、黒い物体で手を固められていた、よく見ると足にも黒い物体は固められていた。 「何よこれ?!」 すると暗闇から誰かが近づく足音がした。 ピチャ…ピチャ… その音は確実に人間の足音ではなかったが、暗闇から現れたの白い髪の毛に赤い目の男だった。 「あなたは誰?」 東凪が男に聞いた。 「君が僕を呼びだしたんだろ?」 すると、びっくりした様に東凪は目を見開いた。 「あなたはもしかして、あの噂にあった鬼神 紅!」 紅は柔らかい笑顔で笑った。 「君の名前は?」 東凪は怯えながら答えた。 「東凪夕季…」 紅は笑顔で東凪に近づき顎を持ち上げながら聞いた。 「で、夕季君は僕に何を願うんだい?」 紅に質問された東凪は迷いながら答えた。 「高橋…高橋遠儀と両思いになりたい…」 紅は東凪の言葉を聞きながら頷いた。 「へぇー甘い恋の願いだね…で、その願いは犠牲を払ってでも叶えたい願い?」 東凪は頷くと、紅は睨むように聞いた。 「大切な友達や家族がもう戻ることのない、生贄になったとしても?」 すると、今まで以上に動揺しながら喋り始めた。 「そんなこと聞いてない!! 鬼ごっこみたいなゲームをして勝った方がこの呪縛学校から抜けられて願いが叶うって聞いたのに!」 すると、紅は腕を組みながら聞いた。 「じゃあなんで今君はここに縛られているんだと思う?」 その言葉を聞いて東凪は嫌な予感がした。 「そうだよ…君のたった1つの願いの為に君に関わる人間はこの呪縛に強制参加させられているんだよ…君の願いの為に捧げられた生贄だ!!」
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