惨劇・残党狩部隊編・殲滅

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「い、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だあぁぁぁっ!!は、は、入りたくねえっ、こ、こ、こんなダンジョン、もう嫌だあぁぁぁっ!!」 「くそっ、おいっ、暴れるなっ!!おいっ、もう1人こい、こいつを黙らせる」 ダンジョンの入口付近で命からがら脱出したダンジョンに再び戻される事になった兵士が半狂乱で喚きながら暴れた為、仲間の兵士達は彼を無理矢理押さえ付け猿轡を噛ませて黙らせ、それが終了した後に残党狩部隊の本隊の生き残り34名は囮のライナを先頭にダンジョンへと侵入した。 残党狩部隊を迎えたダンジョンは沈黙を以て侵入者達を迎えいれ、残党狩部隊は沈黙の中、ダンジョンの奥に向けて進み始めた。 命からがら脱出して来た先発隊の兵士のただならない様子を目の当たりにした残党狩部隊の将兵達は沈黙に包まれるダンジョンの周囲に忙しなく視線を走らせながら進み、一方囮となる事を強いられている筈のライナはこの状況に微塵も動じる気配を見せず、それどころか自分達を散々に嬲り尽くし汚し尽くして来た連中の落ち着き無く忙しない様子に溜飲を下げながら進み続けていた。 (……無様だな、忙しなさ過ぎていっそ滑稽ですらある、まあ、命からがら脱出してきた屑の様子を見れば警戒するのも当然と言えば当然か) ライナがそんな事を考えながら鉄球付の足枷が嵌められた両足を緩慢に動かして前に進んでいると、前方に事前のスキャニングの結果によれば存在する筈の無い三叉路が出現し、それを確認したライナが静かに歩みを止めると後続していた残党狩部隊の将兵達も足を止めて戸惑いの表情を浮かべながら三叉路を見詰めた。 「……どう言う事だ?このダンジョンは生成されたばかりの一本道な筈だろうがっ!!」 「……ば、馬鹿な、スキャニングによるとこのダンジョンは一本道の筈だっ!?」 指揮官から詰問された魔導士は泡を食った表情になりながら杖を掲げると再びスキャニングの魔法をかけ、捜索の為に放った魔法の光が収まると同時に青ざめた顔で言葉を続ける。 「……どう言う事だスキャニングの結果は一本道だこんな三叉路等存在しない筈なのに」 「存在しないだと!?では我々の目の前にあるアレは何だっ!!一体何だと言うんだっ!!」 「そんな事私が知るかっ!!私に言えるのはスキャニングの結果は一本道のダジョンであんな三叉路は存在する筈が無い、それだけだっ!!」
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