2人が本棚に入れています
本棚に追加
「だ、第四騎士団所属のライナ・バンファールであります、こ、この様な破廉恥な姿を晒し申し訳ありません、ミリアリア様」
「気にするな、その痛ましい姿から貴女の受けた屈辱は容易に察せられる」
ライナの言葉を受けたミリアリアは穏やかな口調でライナを労り、その後に優しく微笑みながら言葉を続けた。
「貴女の戦友達も無事よ、声をかけて安心させてあげなさい」
「り、リーナと、アリーシャが?」
ミリアリアの口から出た望外の言葉を聞いたライナが思わず声を上擦らせるとミリアリアは頷きながらライナの後ろを示し、ライナがそれに従い視線を移すと今生ではもう会えないと思っていた大切な存在、リーナとアリーシャが涙を流しながら立っており、その姿を目にしたライナは急いで2人の所に駆け寄ろうとしたがミリアリアはそれを制した後に優しく微笑みながら言葉を続ける。
「もう少しだけ待ってくれ、魔力封じの首輪と足枷を外す」
「は、はい」
ミリアリアの言葉を受けたライナは頷きながら応じ、それを確認したミリアリアは優しく微笑んだ後に短刀を使ってライナの首に嵌められた魔力封じの首輪を切り裂き、その後に足に装着されている鉄球付の足枷を開錠の魔法を使って外す。
「さあ、行ってやれ、2人とも貴女の事を案じ続けていたぞ」
「は、はい、ありがとうございます、ミリアリア様」
ミリアリアから声をかけられたライナはそう言うと少しふらつきながらリーナとアリーシャの所へ駆け寄り、リーナとアリーシャは涙を流しながら駆け寄って来たライナを迎えた。
「リーナ、アリーシャ」
ライナの声に対して泣き笑いを浮かべながら頷くリーナとアリーシャ、そんな2人の肢体を覆うのは僅かばかりの布のみであり、それを目にしたライナは自分達が味あわされた凄惨な凌辱を思い起こしながら口を開く。
「すまなかった、リーナ、アリーシャ……貴女達を……護れなかった……護りたかったのに……護れなかった……本当に……すまない」
嗚咽混じりに謝罪するライナの目から大粒の涙が次々に溢れ、リーナとアリーシャはライナと同じ様に大粒の涙を溢しながら2人でライナの身体を抱き締めた。
最初のコメントを投稿しよう!