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「ライナの馬鹿……あんたが……どれだけ必死にあたし達を護ろうとしてくれたか……知らない訳無いじゃない……必死に……必死に……あたし達……護ろうとして……アイツ等に……アイツ等に……無茶しないでよ……怖かったんだよ……あんたが……壊れちゃいそうで」
「ライナちゃん……本当にありがとう……分かってるよ……ライナちゃんが……私達を……護ろうとしてくれてた事……だけど……もうあんな無茶しないで……怖かったんだよ……ライナちゃん……このまま……壊れちゃうかと……思ったんだよ」
ライナの身体を抱き締めたリーナとアリーシャは泣きじゃくりながらライナに告げ、ライナも大切でかけがえの無い2人の腕に包まれながら泣きじゃくっていた。
抱き合って泣きじゃくる3人の姿を見ていたミリアリアは瞳に滲んだ涙を拭った後に魔水晶を見詰めているアイリスの所に歩み寄り、それに気付いたアイリスは穏やかな眼差しをミリアリアに向けながら口を開いた。
「良かったわね」
「……ああ、そうだな、隣、構わないか?」
アイリスの言葉を受けたミリアリアが穏やかな表情で言葉を返すとアイリスは頷きながら自分の隣のソファーを軽く叩き、それを確認したミリアリアはそのソファーに腰を降ろして魔水晶に視線を向けながら口を開いた。
「……奴等の様子は……聞くまでも無い様だな」
アイリスに残党狩部隊の様子を問いかけ様としたミリアリアは魔水晶に映し出されている阿鼻叫喚の光景にドン引きしながらその質問を納め、アイリスは頷いた後に冷たい視線で魔水晶を見詰めながら口を開く。
「これからロジナ候国の連中がどう動くかは分からないけど、今日はこれ以上の動きは無い筈よ」
「ああ、そうだな」
アイリスの言葉を受けたミリアリアは肩の力を抜きながらソファーに背を凭れさせ、それを目にしたアイリスが同じ様にソファーに背中を凭れかからせているのをぼんやりと眺めながら激動の一日の事を思い起こしていた。
(故国の滅亡と魔王の目覚め、そして魔王によるダンジョンの作製とロジナ候国軍の侵入、正に激動の一日だったな)
ミリアリアが激動の一日を振り返りながら隣のアイリスに視線を向けるとそれに気付いたアイリスもミリアリアの方に視線を向け、ミリアリアとアイリスは互いの瞳に互いの姿を映し合った。
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