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15. 広島城~白島激震~
「広島城に急げ!」
「ワシらの城を襲うなんざ、一体どこのカチコミじゃ!」
ヤクザたちは豪攻車や武装車両に乗り、広島城を目指して急行していた。
この集団は、サイレンと緊急連絡を受け、広島駅前から城南通りを西へ向かっている。
丁度、女学院前を通過し、合同庁舎の前を──
ズド ドド ドーンッ!!
突然の轟音は、彼らを容赦なく粉砕した!
合同庁舎前の道路にはクレーターができた上に──
「おわぁ!!」
スピードを出していた武装車両が次々と、その穴に落ちて音を立てる!
落下し、へしゃげて火を上げる。凄惨な様子を上空のドローンが捉えていた。
「効果確認。あいちゃん、次の場所を指示す──」
「マスター、"ゴライアス" システムの起動が完了しました。次の指示からはタッチパネルが使えますよ~」
あいちゃんに言われて、零治はタッチパネルモニターに地図が映った事を確認すると、次の攻撃場所を指で押さえて指定した。場所は白島通りと城北通りが交差する、市電白島駅すぐ北の交差点!
「目標確認ですっ。ゴライアス、二番も砲身展開!」
「HE装填、遅延信管!」
「了解っ!」
ゴライアス──旧約聖書に出てくる巨人ゴリアテの名を英語読みした物だ。
そして、轟震の両肩から空に伸びるそれは、巨人の名に恥じぬ三連装の巨砲。
先程発射した左肩の砲身からは、硝煙が噴き出している。
「砲弾・装薬共に装填完了。皆さん発射しま~す!」
「みんな、耳を塞げ!」
「うわあぁぁ!」
ドゴドゴドゴォーン!! 再び雷鳴のような砲声!
白島町を丸ごと揺らさんばかりの轟音と激震が、辺りに轟いた!
子供たちも身を震わせて耳を押さえ、音が止むと同時に体育館から轟震の中へ駆けていく。
「ここまで目立つと、光学迷彩も意味がありませんね──解除します」
「あぁ、時間稼ぎにはなったよ」
唐突に、今まで機体を包んでいた光学迷彩が解除される。
子供たちの目の前に、今までランプドアの内側しか見えていなかった轟震の巨躯が、月明かりに照らされながら姿を現した。
「で、で、でっけぇぇ!」
「凄い、これロボットだったんだ!」
子供たちの横で彼らを誘導していた老僧もまた驚嘆の表情でそれを見上げる。
「何と──!」
「ああ。お師さん、俺の頼もしい仲間だ」
子供たちの盾になるように豪攻車を動かした教官が、機体から降りながら言った。
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