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男の背後からどす黒いオーラが見えた。
口は笑っているが、目は笑っていない。
完全に男は真人に怒っている。
(もう………ダメだ…殺される!!)
涙で濡れた目をギュッと閉じた。
「……ん?……このボール?」
男の声に真人は眼を開いた。
男の右手に白いボールが収まっている。
さっき真人が拾ったボールだった。
ボールと真人を交互に視線を向ける男。
「お前が拾ったのか?」
どす黒いオーラがいつの間にか消えていた。
「は……はい」
相好を崩し「なんだ」と呟いた。
「はははは!!俺を驚かせやがって!!……始めっから、渡せばいいのに…………」
ボールは男の物だったらしい……
嬉々とボールを見詰め、空へ高々と持ち上げた。
(大事な物だったんだ……見つかって良かった)
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