真人の受難 

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「真人。観念するんだな」 弘司は勝ち誇った様に、鼻を鳴らす。 「真人!!」 「は、はい!!」 男は真人と向かい合う。 「今日の放課後、俺と付き合え!!」 「え!どうしてですか!?」 (なんで昨日会ったばかりの先輩が俺を誘うんだ?) 「詳しい事はそこで話す。お前には色々と聞きたいことが沢山あるからな。勿論、中学の野球部の話もだ!!ホームルームが終わったら、直ぐに中庭に来い!!」 「そんなのおことわ……」 男が口を挟む 「来なかったら、これは返さないぞ!!」 胸ポケットから何かを取り出す男。 ヒラヒラとそれを見せる。 「あーーー俺の手帳!!!」 真人が探してた生徒手帳だ。 「じゃあな!!中庭で待ってるぞ!!」 男は二人に別れを告げ、軽快な足取りで教室を出ていった。
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