真人の受難 

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(良かった。手帳は戻ったし何よりだ) 真人はお礼を言って頭を下げた。 立ち去ろうと、後ろを向いた時だ。 「おい、逃げるのか!」 「ギクッ!!」 大声で一喝される。 同時に足がピタリととまる。 (やっぱり…ダメか……) ガックリと肩を落とす。 「全く、油断も隙もねぇな!」 気を悪くしたのか、司の表情が曇る。 「すみません………」 「もう謝るなって…………」 司は丸太から腰を上げた。 「春を感じるな。風も暖かくて、良い天気だ。絶好の野球日和だ!よし、キャッチボールだ!!」 司は真人にグローブを手渡した。 「え!キャッチボールですか!?」 「そうだ。誰も居ないし、ここでやるぞ」
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