真人の受難 

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後ろにニ、三歩下がり、何とかグローブにボールが収まる。 (ふぅ、危なかった……………) 視線を司に移す。 「おお!!やるな!!次は投げろ」 「はい!!いきます!!!」 真人も負けじと、大きな声で返事する。 中学時代の動きを思い出し、ボールを返す。 ボールは狙った場所から少し外れ、肩が上がらなかったのか、地面に転がる。 (やっぱ、2年のブランクはキツイなぁ……) しょんぼりと肩を竦める真人。 「最初は誰だってこんなもんだ!!続けていけば、感覚が戻ってくるさ!!」 真人に気を遣って、司は励ます。 「俺………やっぱやめます。野球辞めてブランクが長いし、無理です…。やめます」 きっぱりと言い放つ。 嵌めていたグローブを外し、司の元に行こうとした。 「お前なぁ……何で一回投げただけで直ぐに諦めようとするんだ。今までもそうやって逃げてきたのか?」 呆れるように言い、最後の方はチクリと真人を非難する。
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