真人の受難 

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「悪い、田口。俺……司を連れ出しに行くから、それまで、俺の代わり頼む!!」 俺は名簿などの資料を田口に押し付けた。 田口は目を見張り、恵斗を凝視した。 「え、俺がですか?!」 「お願いだ、田口しか頼める奴が居ないんだ」 必死の形相で田口に頼み込む。 「分かりましたよ……だけど、早く帰ってきて下さいね。キャプテンしか出来ない事もありますから……」 「ああ、ありがとな。じゃあ抜けさしてもらうわ……」 恵斗は再び田口に頭を下げ、部室の外へ飛び出した。 (田口が副将なら良かったのにな…………) 周辺に目を配りながら、恵斗は深い溜め息を吐いた。
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