存続の危機

1/12
前へ
/129ページ
次へ

存続の危機

(真人 side) あの怒涛の出来事から数日が過ぎた。 あれ以来は、司も真人の教室には来なくなった。 再び平和な日常に戻る。 (平和だな…………) 教室の窓から空を眺めていた。 「真人………おはよ」 五十嵐の声に真人は振り向く。 「おはよう……朝練お疲れさん」 「あああ………マジで最悪だ」 五十嵐は真っ青な顔で、真人の方に倒れ込んだ。 「ちょっ…ちょっと弘司!!どうしたんだよ!!」 「野球部が失くなるかも………」 耳を疑った。 頭の中が?で埋め尽くされる。 「ど、どうしてなの?」 「朝練終わりに、監督が皆を集めて言ったんだ。部員がこれ以上集まらないなら、廃部するしかないってさ………」 「野球部ってそんなに部員が少ないの?」 「うち3年生が居ないんだよ。1年と2年合わせても試合に出れる程、人が居ない……」 「うそ……」 弘司は震えた声で事情を語る。 野球部に入部してからの弘司は、凄く楽しそうだった。会話の殆どが野球部の話題だ。 野球部の同級生と友達になったとか 先輩が厳しいとか 本当に楽しそうに語るんだ弘司は。
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加