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銃声が轟き、若者が、火箭を取り落とした。
村の入り口から、ジョナサンがウィンチェスターで若者を狙撃したのだった。
火箭の有効射程の軽く倍から、人混みを縫って正確に火箭を射抜くとは。
誰もが、ジョナサンの異常な腕前に驚愕していた。
ジョナサンが、一同を前にして言った。
「銃は人を殺さない。人を殺すのは、いつだって人だ」
ジョナサンは、ひどく落ち着いた声で言った。
「火箭も開発も止まることはない。開発が進めば森は消える。火箭が広まれば人は死ぬ。これは不可逆だ。逆行はできない。これを歓迎するか厭うかは自由だ。好きにやればいい。でも、どうしても許せないことがあった時どうするか」
ジョナサンはオババを見据えた。オババも見返した。
「受け入れろ。どうしょうもない。ただ、受け入れつつ躱せばいい」
「受け入れるしかないというのかい?」
「なあオババ、腹減ったね」
そう言って脇に積み上げられた野菜を手に取り噛り付いた。
「ちょっと酸っぱいけど美味いよ。これ便利だよな?こういうのも駄目?」
「すいません。これ廃棄するやつです」
「ぶばああああああ!空気読めアルス!」
「確かに、儂等の暮らしは豊かになった。飛行艇はどこまでも飛んでいく。お前がいうのはこういうことかい」
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