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うわああああ!バインと、空間からおっさんが飛び出していった。
誰?
立て直したロック鳥が飛翔した。
魔王は、空中に静止していた。
ゴーラに、巨大な稲妻が落ちた。
肉の焦げる匂い。
普通に戦っている魔王、カッコ良すぎじゃねえか。
ゴーラははっきりと、敵の姿を認めた。
砲列に再び降り立つ。魔王を指差した。
「あいつを援護する。砲列は全て変更、ゴーラを指向し、自由に撃て」
「了解!全砲兵に伝達!装填急げ!」
砲列が、ゆっくり回っていき、全ての火砲がゴーラを示した。
次々に砲声が轟く。爆裂と着弾の衝撃を逃れるように、ロック鳥は高く、高く舞い上がる。
ゴーラの頭上から、強化されたエレファントガンが発射された。
鋼鉄が如き外皮を、弾丸が貫いた。
ロック鳥から、ジョナサンは飛び降りた。
落下の風圧の中で、それに耐えながら、ジョナサンはナマクラールを引き抜いた。
落下の引力は速度を上げていき、そして、激突。
脳天にナマクラールは突き刺さり、衝撃で、ナマクラールは根元からへし折れた。
「魔王!狙えええええ!」
ジョナサンの雄叫びに、魔王が応えた。
光の洪水のような巨大な稲妻が、ゴーラの脳天に落ちた。
自由落下のジョナサンを、魔王が受け止めた。
これでどうだ。体内を走る雷撃に耐えられるか。
ゴーラは一瞬仰け反り、怒りに任せて尻尾を振るった。
魔王とジョナサンを捉えた尻尾は、高層建築物に叩き付けられた。
瓦礫の中から、二人は立ち上がった。魔王の障壁のおかげだった。でなければトマトのように潰れていただろう。
「う、うげえ!」
ジョナサンが血を吐いた。障壁では受けきれなかった。
「無茶をしすぎだ貴様。腕も折れていよう」
魔王の回復魔法で、一瞬で傷が癒えた。
「お前の魔力は底なしか。凄えぞ」
いや。魔王は眼前の穴を見た。まるで堪えていない、ゴーラの姿があった。
「私とてもうもたん。奴は不死身か。まるでマナトワの再来か」
「あいつはどうだ」
「今向かっている。マラガ宮とやらで降ろした」
「ああ。じゃあ来るな。力技で何もかも蹂躙する、ちっこい生き物がな」
シュタタ。二人の上方に走る細い足音、そして、
ゴーラが、何かの一撃を受け、地響きを立てて倒れた。
「来た。あれが。ちっこいゴーラが」
ゴーラの巨体を蹴り飛ばした、ひまわりの姿があった。
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