ひまわり怪獣討伐委員、出動する

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「貴方!」 フランチェスカを、ジョナサンが抱きしめた。フランチェスカは一抱えの器を抱えていた。 「話は後だ。エメルダ、心臓を」 エメルダに手渡された器には、確かに、魔力がこもっていた。 「ああユノ!嘘!」 マリルカが叫んだ。 「ユノ!どうしよう!先生!」 「何か、強い気付(きつけ)があれば」 「あ、あります」 ルルコットが手を挙げて、大瓶を、口に突っ込んだ。 「今回はいつもの三倍です」 え?大丈夫か?するとユノが振動を始め、次いで、飛び上がった。 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 何か叫び始めた。 「ああああああああああ!元気が出ました。ありがとうございますルルコット」 「お前、何ともないか?」 「はい。ちょっと油断しました。父親が知ったらお仕置きされます」 されんのか! 「ユノ。火山に行け。何をするかは解るな?」 「え、はい。でも」 「後のことは考えるな。ゴーラに思い切りぶちかましてこい」 「解りました。行ってきます」 ユノは高速で走っていった。 「さて、今回の主役はお前だ。エメルダ」 「私?でもーー」 「なあエメルダ。そいつが心の無いゴーラの心なんだと。テイマーって何だと思う?」 直截的なジョナサンの問いに、エメルダが顔を上げた。傷だらけの教員は、暖かい笑みを浮かべていた。エメルダは思わず視線を逸らした。頬が赤く染まっていた。 「今、俺達は本当の意味でゴーラと向かい合ってる。何をするかは解ってるよな?」 エメルダが小さく頷いた。 「じゃあちょっといってくるわ。ロック鳥どこだ?」 エメルダが指笛を吹いた。ロック鳥が飛来した。 凄えな!ジョナサンが声を上げ、乗り込んだ。 右手が差し出された。エメルダは、強い決意と共に、その手を取った。 「ああ忘れてた!フランチェスカ、愛してる」 そう言い残して、ロック鳥は飛び去っていった。 「あの天然女ったらしが」 マリルカが不満げに呟き、フランチェスカは夫の無事を祈っていた。 「ぶるあああああああああああ!」 その時、元気三倍ジュースを流し込まれたスライムとマリウスが、揃って声を上げていた。 「これ絶対毒物ですわ」 アリエールがボソッと呟いた。
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