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アカデミーの校長室の壁が、ゆっくりと開いていく。
展望室になった校長室にの縁に、校長が降り立った。手には魔王謹製の新兵器があった。
「あの男。陰でこんなものを」
兵器についてのデータは部屋にあった。
「誰に使う気なの?」
ひとりごちて、右手を突き出した。
方角は西の大陸。計算上、都の中心を目指していた。
魔力が増大する。
そして、
轟音と共に、音速を超えて、爆弾が射出された。
超音速で爆弾が飛来する前から、西の大陸でも事態は進行していた。
そう。し続けていた。
ゴーラは火山を目指していた。
思わぬ敵の出現で、異常に消耗していたのだ。
最早ゴーラを止めるものはいなかった。
眼前、火山の中腹で待ち構えていた、蟻よりも小さい生き物以外は。
ロック鳥の上で、ジョナサンはエメルダに話しかけた。
「始めるぞ」
「待って。まだ駄目。弱らせないと。テイムの基本だから」
「あっちじゃ第2ラウンドだ。まだ早いがな」
魔王は、天空高く舞い上がり、兵器の飛来を待っていた。
あの女の魔力が近付いてくる。かつて、敵意をもって向かってきた魔力が。
来た。
音速を超えて、それはこちらに向かってきた。
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