世界の中心に暴君 第一章

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「初めて、だったのか」 事が終わって最初にいわれた言葉がそれだった。 「な、何よ……そうよ! こんな歳になって経験がなくて悪かったわね!」 感情のこもっていない、無機質な言い方をした天眞の言葉に恥ずかしさからつい粋がってしまう。 それと同時に天眞に処女じゃないと思われていたのだと知ってなんだか哀しい気持ちになった。 (こんなこと……本当に好きな男としか出来ないわよ!) 大事に取っておいた処女をいとも簡単に、あっけなく天眞に奪われてしまったことに対して複雑な感情が湧いた。 (私……どうして天眞に……) 今までも結構際どい事は多々あった。 遊び友だちから求められた事があったり、誘われた男と興味本位でしてみようかと思ったり……だけどいざその時になるとやっぱり激しく拒絶していた。 (天眞にだって本気で拒否しようと思えば出来たんじゃ……) そんなことを考えると、こうも簡単に抱かれてしまったのが不思議な事として私の中に居座るのだった。
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