世界の中心に暴君 第二章

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仕方がなく布団の上でゴロゴロ寝そべって時を過ごした。 携帯を弄って突然私の身の上に降りかかった不幸を事細かにメールやSNSで友だちに送ってみるけれど何故か反応はなかった。 「何よ、一体どうなっているのよ!」 それどころかいきなり着信拒否をしている友だちまでいたことに驚いた。 ほんの一昨日までは仲良くしていた友だちだったのに、面白いように掌を返したような対応に憤りを感じた。 (結局はその程度の友だちだったってことなの?!) 男女問わず交流があった人たちはみんな友だちだと思っていた。 だから欲しいと強請られたものだって買ってあげたし、行きたいとお願いされた旅行にだって連れて行ってあげた。 (愉しく遊んでいたのに……) 会社が倒産して屋敷を追い出されたと書いただけで今までの関係がない事になるなんて思わなかった。 (本当に私にはもう誰もいないってこと、なの?) 哀しくて悔しくて苦しくて声を上げて泣き続けた。 ──そして次第に意識が薄れていった……
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