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「中将とはめったに会いませんし、俺の話に耳を傾ける方ではありません」
「ですが、親子でいらっしゃるではありませんか」
なおもしつこくアルバールは食い下がった。
テーブルから身を乗り出し、その細い目をできるだけ見開いて顔を近付けてくる。
「親子? だから何なのです。俺と中将がそういう間柄であっても人間としては全く別です。あの人に話があるのなら、ご自分で行かれたらよろしいでしょう」
シャインは席を立った。
が、むずとアルバールがその手をつかんだ。
「それができないから頼んでいるんだ! 私は中将ににらまれているんでね」
にこやかで陽気な雰囲気が人事主任アルバールの顔から消えた。
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