3-7 ツウェリツーチェのあごひげ

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「海軍の陸上勤務者がつけている襟章です。名前と階級が明記されています」  シャインは右手でそれを弄ぶと、再びポケットの中へしまいこんだ。  脳裏に人事主任アルバールの赤ら顔が浮かんだ。  普段から後ろ暗い事をやっている男だ。ひとりで外を歩くような人間ではない。その行動は予想を裏切って、素早いものだったが。 「馬鹿な刺客だな。自分の正体がわかるものをつけたまま、凶行に及ぶか?」 「よっぽど自信があったんじゃないのかな。それより……今度は俺が聞いてもいいですか?」  ヴィズルは興味深げにシャインの顔を見た。  どうぞ、といわんばかりの笑顔だった。
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