3-9 代役の航海長

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「あっそうだ。その前にロワールへ顔を見せておかないと」 「は?」  ジャーヴィスはあっけにとられてシャインの顔を凝視した。 「今日会いに来るって言っちゃったからさ。発令部へ行くと何時に出られるか分からないから、彼女に会ってから行くよ。……じゃ、また六日後に……」  シャインはそこでふと思い出した。 「週末の海軍省主催の船霊祭には顔を出すよ。君も来るんだろう?」 「ええ。そのつもりです」  ジャーヴィスの瞳が一瞬宙を泳いだ。  いつも隙を見せない彼にしては珍しい。きっと『船霊祭』にはリーザ・マリエステルも来るのだろう。  彼女はシルダリア方面へ航海に出ているが、急送連絡文書の運搬だから、それまでにはアスラトルへ帰ってこられるはずだ。 「発令部の内容は休暇明けに伝えるよ。じゃ、俺は行くから」 「あ、グラヴェール艦長」  シャインは何か言いたげなジャーヴィスを残して修理ドックへと入った。
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