【幕間2】 船霊祭 -陸に上がった人魚-

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「ほら、『今日はいつもと違うね』とか、『素敵だね』……とか……ねっ」  語尾がもごもごしてしまったせいだろうか。シャインの顔色は冴えない。 「うーん。君がいつもと違うことは、さっき言ったような気がするけど。そのドレスだって俺の好きな色だし、君によく似合っていると思うよ。それ以上……何を言えばいいのか……」  ロワールは拳を握りしめたまま、疲れたように大きくため息を一つついて再び椅子に座り込んだ。ふくらむドレスの裾をばさばさとさばく。 「はーっ。シャインって、実は女心がまったくわかってないのね。だから、あの銀髪の婚約者さんも泣かせちゃったんでしょ?」 「……えっ?」  ロワールは半分やけになっていた。  シャインに今の自分の姿をみせたくてやってきたというのに。  だが彼にとっては、そんなことどうでもいい事なのだろう。
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