【幕間2】 船霊祭 -シャインの本心-

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「ロワール、ごめん。俺は大切な事を忘れていたようだ」  シャインが手を離してくれたので、ロワールはやっと彼の肩に回していた腕を解いた。シャインが椅子から立ち上がる。シャインは肩をすくめて、右手を口元へ当て頭を振った。 「君がレイディだからこそ、俺達は一緒に気兼ねなく海へ出られるんだったよ。本当に、ごめん」 「――シャイン」  ロワールはほっと安堵に胸をなでおろし、口元に微笑をたたえながらこくりとうなずいた。 「でも、でもね、シャイン」  ロワールは見逃さなかった。シャインの顔に一瞬浮かんだ寂しさを。 「私だって誰よりもあなたのことが大好きよ。だから、あなたが望む限りどんな海だって行くし、嵐だって……」  ロワールは思わずうつむき、だがすぐさま顔を上げて言葉を続けた。 「あなたや乗組員の皆が私を守ってくれるから、ちっとも怖くなんかない」 「ありがとう、ロワール」  そう言ったシャインの顔には穏やかな微笑が浮かんでいた。
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