【幕間2】 船霊祭 -シャインの本心-

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「さてと。俺のせいで随分つまらない話をしてしまったけど、君、あとどれくらいこうしていられるんだい?」 「えっ?」  シャインは白い礼装の内ポケットに手をやり、そこから鎖に繋がれた、銀色の小さな懐中時計を取り出していた。 「えっとー」  ロワールはクレセントとハーフムーンに言われたことを思い出そうとした。 「確か、一つになった二つの月が天頂まで昇っちゃうと、後はそれぞれ離れてしまうそうだから……」 「天頂ということは、深夜0時ぐらいか」 「うん。あの二人は月が出ている間は、この姿でいられるらしいけど、私は今回が初めてだから、そこまできっともたないわ。多分月が一つに重なっている0時までが限度でしょうね」 「わかった。じゃ、まだ三十分ほど、一緒にいられる時間があるってことだ」  ぱちりと懐中時計の蓋を閉めたシャインは、おもむろにロワールの右手をとった。 「一緒に来てくれ。見せたいものがある」 「え、ええっ? あ、シャインっ!」  ロワールは再びシャインの左腕に自分の右腕を絡め、半ば引きずられるようにして部屋から外へ出た。
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