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「さあ、着いた」
シャイン自身も軽く息をつき、身を屈めて、ロワールの背丈よりひと回り小さめの扉を外へ押しやった。
「足元に気をつけて」
「うん」
シャインが先に外に出て、ロワールに向かって手を伸ばす。
それにつかまりながらロワールもまた扉をくぐった。
「わぁ……すごい」
夜気の冷たい風が頬を撫でる感覚とともに、ロワールの目の前には青い闇に覆われた世界が広がっていた。
その青い闇の上空に、白銀の光を放つ二つの月が、重なったまま昇っているのが見える。そしてその遥か下の方に、白や黄色やほのかに揺らめく炎の色をした、小さな明かりが無数に星のようにちかちかと灯っている。
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