【幕間2】 船霊祭(完)

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「うん。とっても綺麗だわ。月に手が届きそうなほど近くに見えるし、ここからアスラトルの街と海がぐるりと全部見渡せるなんて、とっても素敵だわ」 「本当は君に街を案内したかったけれど……どうやらもう時間切れらしいな」  そう言ったシャインの背後に、天頂まで昇りつめた銀と金の月が、ひときわ力強く輝くのが見えた。まるで今宵の逢瀬を惜しむように、それとも来年再びめぐり会うことを約束するような、そんな優しい月の光がアスラトルの街へ雪のように降り注いでいく。 「それは、来年の楽しみにとっておきましょう。シャイン」  強くなった月の光の中で、シャインが渋々といった表情で、苦笑しながらロワールを見つめている。
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