【幕間2】 船霊祭(完)

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「そういうことにしておこうか。ロワール」  シャインがロワールの肩に手を伸ばし、自分の方へ引き寄せた。  その手に込められた力があまりにも強かったので、ロワールは思わずシャインの顔を見上げた。 「もう少しだけこのままでいさせてくれ。二つの月が離れてしまうまで――」  シャインが思っている事と、ロワールが思っている事はおそらく一緒だ。  これが今生の別れというわけではないと。それはわかっているが。  けれどシャインの願いとは裏腹に、銀と金の月は再びそれぞれの軌道へと戻っていこうとしている。  ここで一緒に過ごせる時間はほとんど残ってはいない。  ロワールは満足げな微笑を、そのちょっと幼さが残る顔に浮かべてうなずいた。 「シャイン、今夜は色々あったけど楽しかったわ」 「そうかい?」  シャインの口調は重かった。  本当にロワールがそう思っているのか訝しんでいる様子だ。
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