3-1 風の報せ

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「わかりました。ディアナ様から伺った話は後で資料としてお持ちします」 「頼む。私はアリスティド統括将に面会しなければならない用があるのでな」  アドビスは参謀司令官として最重視しなければならないことを思い出した。  海賊拿捕専門艦隊――通称・ノーブルブルーの旗艦、アストリッド号が何者かによって沈められたのだ。  そんなことができる集団、組織について至急調べなければならない。 「それでは閣下、私はこれで」 「ああ。御苦労だった」  ロイスが部屋を退出するのを見送って、アドビスは深く息を吐いた。 『アストリッド号を沈めたのは――『月影のスカーヴィズ』です。あなたが二十年前に殺した――女海賊の』  二十年経ってようやく巡り合えるのか。  それとも――自らの業が招いた罰を受ける時が来たか。  アドビスは頭を振ると執務室を後にした。
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