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ルウムはシャインへ視線を向けると再び頷いた。
「ロワールハイネス号は小さいが俊足で良い船です。ここまで二十五日ぐらいでたどり着いたのですから、たいしたものです」
「しかし急ぐあまり、危険な海域を通ってきたのは感心せんが……な」
暗に海へ落ちた事をにおわされて、シャインは額へ手を当てた。
無謀と思われて当然の行為だろう。
「以後は、気を付けます」
シャインの返事に、ラフェールは小さくうなずいた。
ビリビリビリッ!
サロンの両舷の四角い窓ガラスが、割れんばかりに激しく振動した。
足元の床にも、ずーんと重い衝撃が走る。
「何だ!?」
ラフェールが鋭く呟くと、ファスガード号全体が次の瞬間グラッと左舷側へ傾いた。
カッと目を見開いたルウムは、船壁に手を張り付かせ、激しく震える窓ガラスの外をちらりとのぞくと絶叫した。
「伏せろーー! 早く!!」
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