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「うっ……」
かすかに呻き声がした。ジャーヴィスだ。
背中側から聞こえる。
ジャーヴィスが咄嗟に自分を庇った事に気が付いたシャインは、動かせる左手を使って、できるだけゆっくりと、その体の下から這い出した。
左頬に風を感じる。
シャインは顔を上げて反射的にそちらを見た。
先程まで右舷の窓があったところに、大穴が開いて黒々とした海面が見える。
砲撃を受けたのだ。
ただ、それは考えられない方向からだが。
「ジャーヴィス副長! 大丈夫か?」
その事実に戸惑いながらも、シャインは床にうつ伏せたジャーヴィスの名を呼んだ。
そっと肩をつかんで、軽く揺さぶる。
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