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「ゴホッ……そこに、いるのは……誰、だ?」
シャインは突如聞こえたラフェールのか細い声に、窓があった隅を見た。
「……グラヴェールです、ラフェール提督」
ジャーヴィスの事で頭が一杯で、他の事などすっかり忘れていた。
シャインは返事をした後、止血を施したジャ-ヴィスの体をそっと横向きに寝かせた。
そしてゆっくりと立ち上がり、ラフェールの寝台の方へ行こうとした。
ブーツが床に飛び散ったガラス片を踏むたび、ジャリっと音を立てる。
「提督……ああ……」
シャインは思わず口元を右手で押さえ、出てきた嗚咽を飲み込んだ。
サロンの窓際にいたルウムが、やはりラフェールを庇ってすでに絶命していた。
彼の命を奪った子供の腕ぐらいある木片が、うつぶせたその左脇腹へ深々と突き刺さり、どす黒い血が辺り一面、床をも染めている。
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