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「……あの子を沈めるの? そして私も」
階段に足をかけようとした時、静かな声が辺りに響いた。
どちらかといえば、とがめるような感情の、冷たい、女性の声。
シャインは何も答えず頭を垂れた。
船の精霊と話ができる自分を、この時ほど恨めしく感じながら。
話しかけないで欲しかった。
そうすれば、ただの“物”として扱えたのだ。
エルガード号とファスガード号を。
「エルガードが、姉であるあなたを砲撃しています。勿論それは、エルガードが海賊に奪われてしまったせいです。しかし……」
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