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◇◇◇
「じゃ、こいつはいただいていくぜ。海軍の坊や」
「まて……!」
やや大きめの口を歪めて男は薄く笑うと、船鐘を拾い上げるため手を伸ばした。
鏡を思わせる銀色の船鐘に、皮手袋をはめた男の指が伸びる。
それが触れると同時に、青白い閃光が鐘からほとばしった。
「チィッ!」
男が舌打ちして伸ばした左手を引っ込める。
まるで熱した鉄に触れて火傷をしたように、男の指からは白い煙がうっすらと上がっていた。
「……そうか。そういうことか。こいつは面白い」
喉の奥を鳴らして男の唇がさらに引きつった笑みをたたえる。
「お前にこいつを預けてみることにしよう。まあ、お前が生き残ればの話だがな」
◇◇◇
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