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「……すみません」
ホープの呼びかけに気付いたシャインが気まずげに瞳を伏せている。
ホープは脳裏を過った不吉な考えを振り払った。
シャインは命名式の前の日に、ロワールハイネス号への想いを口にした。
『俺は彼女に命を救われました。だから、今度は俺が『彼女』を守ります。いえ、何があっても守ってみせます』
こんなことを考えてしまうのは、やはり『船霊祭』のせいかもしれない。
形あるもの生きとし生けるものは――いつか終わりが来る。
けれどシャインのような若者にはまだ未来がある。
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