3-27 憎しみの炎

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「そういうことだ。だがそれは、スカーヴィズにもいえることだ。エルシーア一の勢力になれば、いずれアドビスと戦わなければなかったからな。  けれど、アドビスを愛していたスカーヴィズにその気はなかった。それを知っていてあの男は、過去を消すため彼女を殺した。エルシーア海から去ろうとしていた、二十年前のあの夜に……俺の大切な人の想いを利用して、殺したのさ!」  シャインは黙ったままヴィズルを見上げることしかできなかった。  アドビスが目的を達成させるために、手段を選ばないというやり方は、嫌というほど知っていたから。  返す言葉を必死で探すが、頭が凍ったように働かずどう言えばいいのかわからない。  何を言ってもきっと虚しく響くだろう。  ヴィズルと同じ立場だったら、自分も同じ事をするだろうから。  それでもシャインは口を開いた。 「ヴィズル。俺は……」 「何も言うな!」  熱のこもった風に髪をあおらせながら、ヴィズルが一喝した。
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