3-28 失った命と失わせた命

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 ◇◇◇ 「イストリア副長! これからどうするんですかー!」  誰何の声と共に、シャインの乗ったボートと同じようなそれが一隻、また一隻と集まってきた。  ファスガード号はどんどん沈んでいく。  周囲が暗くなってきたので、シャインは発火石をこすりあわせてカンテラに火を灯した。 「グラヴェール艦長。実は気になっていたのですが……」  隣で舵を取るイストリアが声をひそめて話しかけてきた。 「ロワールハイネス号の事かい?」 「ええ。姿が見えません。砲火を避難しているのなら、そろそろ戻ってきても良いころです。しかし……」  訊ねられる事はわかっていたにもかかわらず、シャインは思わず目を伏せた。
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