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「じゃあどうするんです? あなたの考えを聞かせて下さい」
シャインはその言葉が、このような事態を招いた責任を求めるように聞こえた。
いや、まさにそうだろう。
シャインはイストリアに尋ねた。
「水と食料は各ボートにどれほど積んでいる?」
「一週間分です。もたせて十日ほど。言っておきますが、ここはエルシーアから船で一ヶ月かかる海域であり、東方連国にもボートで一週間で行く事はできやしませんぞ」
シャインはうなずいた。
海図が鮮やかに脳裏に浮かぶ。公海のど真ん中にいるノーブルブルーを見つけ損ねないよう、毎日何度も見ていたから。
「ここの位置はわかってる。北西をめざせば三日ぐらいで、エルシーアと東方連国との定期航路に出られるはずだ」
ふんと大きな鼻息を立ててイストリアが笑った。
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