3-2 休暇

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「あ、ああ……、そうする」  クラウスは軽くジャーヴィスに一礼して待合室を出て行った。  しばらくして、給金を手にした数人の水兵達が、一応にジャーヴィスに挨拶をして出ていった。 「……ジャーヴィス中尉」  名前を呼ばれので、ジャーヴィスは一番右端の窓口へ行った。  眼鏡をかけた四十代の女性職員が、営業スマイルをふりまきながら、彼に給与明細書の入った封筒と、赤い紐でとじられた封書の束を手渡した。 「二ヶ月分の明細と、あなた宛の手紙です」 「どうも」    ジャーヴィスは整然とそれを受け取った。  手紙の束は十通あまり。みな同じ水色の封筒だ。  かすかに、清楚なエルシャンローズの花の香りがした。  ジャーヴィスはそれらを右手に持った鞄の中へ放り込み、待合室の扉を開けた。
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