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『あなたはどちらを選ぶ?』
女は人間離れした美しい顔に上品な笑みを浮かべ、銀の瞳を細めた。
『選ぶ……?』
『そう』
今日のシャインは夢と現の狭間を行き来している。
自分が起きているのか、それとも眠ってしまったのかがわからない。
けれど軍艦であるウインガード号に、そもそも女性は乗っていない。
いや。
いるとすれば、ただひとりだけ。
『俺に何の用だ?』
シャインは再び目蓋が塞がるのを感じた。反射的にそれに抗う。
何故だかわからないが、この冷たい眠りに身を任せたら二度と目が醒めないような気がしたのだ。
そこで右手を上げようとしたが、いつしか全身に広がった寒気のせいか、指一本動かせない事に気がついた。
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