3-30 残されし者達

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 シャインは息を吐いた。  唐突に何もかもが億劫になった。  自分の置かれた状況も。  考える事も。  口を開く事も。  息をするのも。 『疲れたよ。ウインガード……』 『そう。なら、休みなさい』  だがシャインは、塞がりかけた目蓋を意志の力で見開いた。 『眠りは現実からの逃避だ』 『いいえ。あなたは逃げてなどいないわ。疲れたから休む。それはあなたの心を癒すためにも必要な事』 『いいや、きっと俺は夢を見る。闇の海を覗きこみ、この手で切り捨てた人々に沈められる夢を』  ウインガードはそれを咎めるように首を振った。  ゆっくりと身をかがめ、シャインの耳に唇を寄せる。
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