3-31 取引

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 その後、シャインを乗せたウインガード号は、約ひと月の航海を経てアスラトルへ帰港した。    ◇◇◇ 「どうするつもりだ? ツヴァイス」 「……どうするつもりとは? グラヴェール参謀司令どの」  ツヴァイスは銀縁の眼鏡をかけ直した。  人目を忍ぶ事ができる唯一の場所。海軍本部内のアドビス・グラヴェールの執務室に呼びつけられたツヴァイスは、不快さを露わにしながら渋々やってきた。  いつもならアドビスの話に取り合わないが、今回だけは特別だった。 「ノーブルブルーはお前の管轄だ。海賊退治に行くのは一向に構わん。だが」  アドビスは優雅に足を組み、応接椅子に肘をのせた。  鋭く光る鷹のような瞳で、正面に座るツヴァイスをじっと見据える。 「どうするつもりだ。ノーブルブルーの船を三隻も失ったのだぞ。アリスティド閣下が、お前の話を聞きたいと言っている。最も、私もだがな」
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