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「それはどうかな。俺にはあの人の考えている事が……よく分からない。ま、気に入らなければ、向こうからどなりこんでくるだろうしね」
「……シャイン様」
咎めるようなエイブリーの声に、シャインは諦めたような笑みを浮かべた。
「当主の機嫌はいつも気分次第だ。お叱りを受けるかどうかなんて、エイブリーさん……あなたにだってわからないでしょう?」
「はぁ……それはそうですが」
「兎に角、花をもらったら帰ります。今日は当主に来客でもあるんでしょう? ロ-ズ園を閉めていると聞きましたから」
執事は軽くうなずいた。
「まもなく戻られると思います」
「では急がなければ。俺を見れば、当主は機嫌を損ねるだろうから」
シャインは何か言いたげな執事を残し、さっさとローズ園の門をくぐった。
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