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「くどいぞ、シャイン。いつまでもいない人間のことを考えて、時間を浪費するのは愚者のすることだ。こんなところで油を売っていないで、お前は海軍の船を預かる者として、やるべきことがあるはずだ」
「話をすり替えないで下さい! それに母の事をそんな風に言うなんてあんまりです。……母はあなたのせいで!!」
たまりかねたシャインが、そう言い終わらないうちに、アドビスの長い腕が目にも止まらぬ速さで伸びてきた。
鷹が鋭い鈎爪で獲物を捕らえるように、それはシャインの喉元をがっしりと押さえつけていた。
「……!」
そしてアドビスはシャインの首を掴んだまま、身体を大樹の幹に押し付けその顔をのぞきこんだ。
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