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シャインはエイブリーにアドビスと会った事を告げなかった。
今度来る事があれば、気の利いた手土産を持参する事を冗談混じりに言って、グラヴェール屋敷を後にした。
エイブリーが呼んでくれた馬車に乗り、再びシャインはアスラトルの街の方へと戻った。
戻ったといっても、海軍の施設や商業地の集まる<東区>の手前、エルドロイン河にかかる石橋を渡った所で下りた。
そしてすぐ歩き出すわけでもなく、欄干にひじを付き、川面をじっとながめた。
この大河だけは何年たとうが、いつも淀みなく流れ続けている。
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