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◇◇◇
シャインは再び海軍の港がある<東区>の通りを歩いていた。
日が暮れてすっかり辺りは夜の闇に包まれたが、港の中にいる警備艦の停泊灯の灯りが煌々と照っていた。
各マストや、船尾の洒落た船尾灯に掲げられた白い光は、海面にも映ってきらきらと輝いている。
シャインは軍港から数ブロック行った通りに、部屋を間借していた。
歩いて十五分といったところだろうか。
ロワールハイネス号が修理ドックに入っていなければ、街に出ようとは思わなかった。
休暇といえど、たかが一週間。しかも次の命令を待つ身ゆえ、何時呼び出しがかかるかわからないのだ。
なら、間借している部屋よりもはるかに落ち着ける、ロワールハイネス号ですごす方がいい。
話し相手もいる事だし。
そこまで考えてシャインは眉をひそめた。
そしてくすりと笑った。
「今までいろんなレイディに会ったけど、あそこまで破天荒なのは初めてだな」
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