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「あの……」
「まだ三本あるから、遠慮するなって。こっちはメシと寝る所まで提供してもらってるんだ、なっ」
ヴィズルは酒ビンのコルクをくわえると、ポンという威勢のいい音を立ててそれを引き抜いた。
「さ、楽しくやろうぜ」
ヴィズルは一度渡した酒ビンを、今コルクを抜いたそれに代えると、今度は自分の分のために、新たに栓を引き抜いた。
「乾杯!」
じっとこちらを見つめ、無邪気に笑うヴィズルにつられて、シャインは小さくうなずいた。
「……乾杯」
ビンとビンを軽く合わせ、ふたりは酒を喉に流し込んだ。
セシリアの料理はゆうに二人分あった。
玉ねぎの甘味たっぷりなじゃがいものスープに、香草とともに焼きこんだメインの鳥料理、厚切りのパン。新鮮な季節野菜をふんだんに使ったサラダ。
ヴィズルはよく食べて、よく飲んだ。
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