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――動けない。
アドビスには右手一本で首を掴まれているだけなのに。
自由になろうとシャインは、アドビスを睨み付けたまま体を動かそうとした。
「私にどうしろと言うのだ? シャイン。泣いてリュイーシャに謝れとでも言うのか? えっ?」
溜息と共にアドビスが囁く。
声を封じられて、反論できるわけがない。
それがわかっていて問いかけるアドビスに、シャインは一層暗い感情を込めた目で、彼を睨み返すことしかできなかった。
分からない。
理解できない。
何故、自分は彼の息子なのだろう。
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