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「……迎えに、来てくれたの?」 「うん。台風もあったし、遅くなったけど」 普段と違う場所で見るせいか、結婚したてのころのような気恥ずかしさが蘇る。 「ありがとう」 素直にそう言えた。 「ママ、赤ちゃんの名前『あお』にしようよ」 藍がわたしのお腹を撫でてそう言った。 広樹は驚きに目を真ん丸にしている。 藍染のように色褪せない恋心を持ち続けることはできないかもしれない。 それでも、流れ続ける川のように、色を変えながら歩んでいく。 青い大きな海に向かって。
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