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「あの.....どうでしょうか?」
ああ、気がどこかに散っていた。
そうだ、私は今。
手のひらを相手に見せる。
「え?」
『開眼』
手のひらに浮かび上がる眼。
ギョロギョロと動く大きな眼球。
「う、わ!!!!」
その1年の男の子は尻餅をついて倒れた。
私はいつもの一言を告げる。
「私のことを好きになるのは辞めなさい。」
「...はい、分かりました。」
言われた人の瞳はどこか焦点があっておらず、その場をゆらりと立ち去っていく。
そして、私への思いは消え、前後の記憶は曖昧になる。
「....あれ、何してんだっけ....。
まあ、いいや。教室戻ろう。」
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