それはトップがカラメルで

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僕が急いでチョコレート・モカクリームを作っているのを、芽里ちゃんは物珍しそうに見物していた。 「そんなに見られると恥ずかしいな」 僕が軽口を叩いても、彼女は僕の手に釘付けになっている。 「……さいほさんは、どうしてお菓子屋さんになったんですか?」 「んー? 理由かぁ……お菓子が好きだっていうのもあるけど……芽里ちゃんにもわかるよ、明日までには」 「……そうなんですか?」 「そう、ほらクリームできたよ。君の出番だ」 僕がぶかぶかのエプロンを着せた芽里ちゃんにクリームが入ったボールを渡すと、彼女の顔が少し歪んだ。 「重かったかい? それだけ僕の想いが詰まっているからね」 こんな綺麗事、何年振りに言っただろう。彼女の心の綺麗さに当てられたせいかもしれない。
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