今日も変わらぬ日常を

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僕は再び尋ねる。 「あのさ芽里ちゃん、お家の人呼んであげるから電話番号教えてくれる?」 「ケータイ置いて来たからわかりません」 そうか、今の小学生は親の電話番号覚えてないのか。しっかりしてそうな女の子なのに。 本当なら警察を呼ばないといけないのだけど……。 「……わかった。それなら早くケーキを選んで? 帰りは安座上くんが送って帰るから」 「え? 俺じゃないの?」 小日向さんが不満げな顔をした。 「小日向さんとじゃ絵面が怪しいでしょ」 「誰がロリコンだ!」 「……?」 芽里ちゃんが首を傾げたので僕たちは言葉を濁した。多分ロリコンという言葉がわからないのだろう。 「さ、芽里ちゃんケーキ選ぼう?」 彼女は言われるがままショーケースに顔を近づけた。
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